パッシブハウスとは?認定基準やメリット・デメリットを解説|美濃加茂市のふくもくの家
2024.12.23
みなさんこんにちは、岐阜県美濃加茂市で注文住宅を提供する「ふくもくの家」です。
今回は、人にも環境にも優しい住宅「パッシブハウス」について紹介します。
パッシブハウスの名前は聞いたことがあるものの、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。。このコラムでは、パッシブハウスの基準やメリット・デメリットについて詳しく解説します。ZEHやパッシブデザインとの違いも記載するので、パッシブハウスについて知りたい方は参考にしてください。
パッシブハウスとは
パッシブハウスとは、自然の力を生かした設計で快適な居住空間を目指す住宅です。環境先進国ドイツが導き出した世界基準の省エネ住宅で、できるだけ冷暖房に頼らず、住宅性能を向上させることで室内環境を快適にするのがコンセプトです。実は日本の省エネ基準は世界基準より低く、世界的に遅れています。そこで近年では、国を挙げて世界基準の省エネ住宅基準が促進されており、そのひとつとしてパッシブハウスが注目されています。
パッシブハウス5つの特徴
パッシブハウスは省エネかつ快適な家づくりのために、5つの性能に力を入れています。それぞれの特徴について、詳しく解説します。
断熱性
パッシブハウスでもっとも重要視されているのが、断熱性能の高さです。断熱性能の高い家は外気温に左右されにくく、一年中快適な室内環境を維持しやすくなります。またリビングなど一部のエリアを快適にする局所冷暖房ではなく、家全体を断熱することでエリアごとの温度差が生じにくく、家中どこにいても過ごしやすい環境が整います。
>>断熱性能について詳しく知りたい方はコチラ
遮熱性
日射が強い時期に窓などから日差しが入ってしまうと、室温が上昇してしまいます。特に真夏は、カーテンやブラインドだけで防げないケースが少なくありません。パッシブハウスでは、屋根の軒を深くしたり、窓ガラスに遮熱性の高いものを採用したりすることで遮熱効果の向上を目指します。
蓄熱性
国内の省エネ住宅では注目されていませんが、パッシブハウスは蓄熱性にも力を入れています。
熱を蓄える機能がある蓄熱材は、下記の効果が期待できます。
- 夏場に熱を吸収して室温の上昇を防ぐ
- 冬場に太陽光を蓄え、気温が下がった際に放熱する
蓄熱性が高ければ一日を通して室温の変化が緩やかになり、室内の温度管理が楽になるでしょう。
冷暖房空調設備使用の低減
パッシブハウスでは住宅性能や自然の力で高気密高断熱の家を目指し、冷暖房をなるべく使用しないのが原則です。基本的にパッシブハウスの基準を満たせば、リビングからトイレまで、家全体を1つの冷暖房設備で快適に保てるとされています。
自然エネルギーの活用
前述した通り、パッシブハウスは自然の力を積極的に利用し、冷暖房の使用を抑える工夫が必要な住宅です。夏は日射を遮って涼しさを保ち、冬はひなたぼっこが楽しめるような庇の角度など、自然の熱をコントロールする設計が求められます。
パッシブハウスとZEH住宅の違いは?
省エネ住宅を検討する際、パッシブハウスとZEH住宅の違いについて知りたい方もいるでしょう。ZEH住宅は、住宅で使用するエネルギーを最低限にし、そのエネルギーを再生可能エネルギーで賄うことで、一年間のエネルギー収支ゼロを目指すネット・ゼロ・エネルギー・ハウスです。どちらも省エネ性能に特化していますが、パッシブハウスの方が省エネ性能基準値を厳しく設定しているため、より高性能な住宅を入手できます。一方ZEHは行政が管轄しているため補助金制度が充実しており、初期コストを抑えやすいメリットがあります。
パッシブハウスの認定を受けるために満たすべき基準
パッシブハウスの認定には、下記の手続きが必要です。
- パッシブハウス・ジャパンに登録された建築会社を選ぶ
- パッシブハウス・ジャパンの審査を受ける
原則的に日本でパッシブハウスを建てる場合、パッシブハウスの基準を日本の気候・文化様式に改良し、普及を目指す「社団法人パッシブハウス・ジャパン」に加盟登録した建築会社の選択が必要です。
またパッシブハウスで満たすべき基準は、下記の3点です。
- 各15kWh/㎡以下の年間冷暖房負荷
- 50Paの加圧時の湿気回数が0.6回以下の気密性能
- 120 kWh/㎡以下の一次エネルギー消費量
数値だけではわかりづらいので、パッシブハウスで推奨される設備について具体的に解説します。
高性能の断熱材
年間冷暖房負荷や一次エネルギー消費量を削減するには、外気の熱が室内に侵入するのを防ぐ断熱性を向上させるのが必須です。そのため外気と直接接する住宅の壁や屋根などに、断熱性能の高い断熱材を使用する必要があります。
>>断熱材の役割や選び方を詳しく知りたい方はコチラ
三重構造の窓
住宅の中でも窓は外からの熱が侵入しやすいうえ、室内の快適な空気が逃げやすい部分です。日本で断熱性能の高い窓といえばペアガラスが主流ですが、パッシブハウスの基準を満たすためには、ワンランク上のトリプルガラスが基本になります。
>>窓の役割や選び方を詳しくしりたい方はコチラ
熱交換換気システム
室内の空気を綺麗にするには換気が大切ですが、窓を開けて換気すると適温に保たれていた空気が外に逃げてしまいます。そのためパッシブハウスの換気システムは、ダクトを通して空気を入れ替える熱交換換気システムが基本です。熱交換換気システムは窓を開けずに空気の入れ替えができるため、室温が変化しにくく、熱ロスを最低限に抑えられます。
>>換気システムについて詳しく知りたい方はコチラ
省エネ性能の高い給湯器
省エネというと冷暖房設備に目が行きがちですが、お湯を大量に温める給湯器もエネルギーを多く使用する設備のひとつです。熱効率の良い給湯器を採用することで、エネルギー消費量を大幅に削減できます。
パッシブハウスを選ぶ3つのメリット
パッシブハウスを選ぶことで、住む人が得られる3つのメリットを解説します。
一年中快適な室内環境で暮らせる
パッシブハウスでもっとも大きなメリットは、室内の温度を一年中快適に保ちやすい点です。外気温が室内に伝わりにくいため、夏は涼しく、冬は暖かい部屋で暮らせます。また一部の部屋ではなく家全体の断熱性能が高いため、エリアごとの温度差が生まれにくくなります。浴室と他の部屋との温度差が原因で発症しやすいヒートショックを予防できるなど、命にかかわる事故を減らせる点も魅力でしょう。
冷暖房で使用するエネルギーを低減できる
パッシブハウスは冷暖房の使用を最小限に抑えられるのも、魅力のひとつです。蓄熱性に優れているため、建築物自体が室内温度を快適にしようと働きかけてくれ、温度管理の手間が省けるのも利点といえます。
ランニングコストを削減できる
前述したとおりパッシブハウスはエネルギー消費量が少ないため、必然的に光熱費が軽減します。日中は自然採光で過ごせる設計も推奨されているため、照明に使用するエネルギー削減も可能です。
パッシブハウスを選ぶ3つのデメリット
パッシブハウスはメリットが高い住宅ですが、他の省エネ住宅と比較して日本での普及率がまだ低い傾向です。パッシブハウスが選ばれにくい理由として、3つのデメリットを解説します。
初期コストが高い
パッシブハウスを建てるには省エネ性能の高い資材が必要なため、初期コストが高くなりがちです。それを補う補助金制度も用意されておらず、補助金を受けるためにはZEHや長期優良住宅など国が運営する省エネ住宅制度の認証を得る必要があります。
認定費用がかかる
パッシブハウスの認定を受けるには、パッシブハウス・ジャパンの審査費用とドイツ・おパッシブハウス研究所へ支払う費用が発生します。30万円程度かかるので、余計な出費だと感じる方もいるでしょう。
施工できる建築会社が限られる
パッシブハウスは断熱性や省エネ性能の基準が厳しいだけでなく、太陽光の角度や熱量、風向きなど自然の力を考慮した設計が必要なため、専門の知識やスキルを持つ設計士でないと難しい住宅です。そのため施工にはパッシブハウス・ジャパンに加盟している建築会社に限られており、選択肢が少ないのがデメリットでしょう。
パッシブハウスを建てると後悔する?
パッシブハウスは認定基準が厳しいため、ZEHなど他の省エネ住宅と比較しても初期コストが高くなりがちです。ランニングコストの低減は期待できますが、初期コスト分の費用を賄えるかといわれると、割に合わない可能性が否定できません。一方室内の快適性は非常に高く、エネルギー消費量も少ないため、人にも環境にも配慮した家が実現します。コストパフォーマンスを優先するか、快適性や環境配慮を重視するか、家づくりに求める条件によって満足度が異なるでしょう。
パッシブハウスが難しい場合はパッシブデザインという選択肢も!
「パッシブハウスはハードルが高い…」そう感じる方は、パッシブデザインという選択肢もあります。パッシブデザインとは、自然の力を活用して省エネルギーを実現する設計概念です。そもそもパッシブとは「他からの働きかけを受ける」という意味で、太陽光や風など自然の力を活用した建築設計の総称です。そのためパッシブデザインでは「断熱・気密・通風・蓄熱・採光」を意識した設計を行い、人や地球に優しい家づくりを目指します。
パッシブハウスとパッシブデザインの違い
パッシブハウスとパッシブデザインは名前も方向性も似ているので、何が違うか気になりますよね。パッシブハウスとパッシブデザインの一もっとも大きな違いは、性能基準の有無です。前述したとおり、パッシブハウスは一次エネルギー消費量などに厳しい基準を設けています。
一方パッシブデザインは、明確な性能基準がありません。パッシブハウス・ジャパンに加盟していない建築会社でも施工でき、特別な審査も不要です。パッシブデザインは設計の概念であり、実際の性能レベルは設計士によって差があります。そのため、適切なパッシブデザインを提案できる建築会社選びが大切です。
パッシブデザインで求められる5つの要素
パッシブデザインは明確な基準はありませんが、取り入れるべき5つの要素があります。
断熱性
パッシブデザインでも要となるのが、高断熱・高気密です。壁や床に断熱性能の高い断熱材を使用したり、窓にペアガラスやトリプルガラスを選んだりして、住宅全体の保温効果を向上させます。
日射遮蔽
真夏でも快適な室内環境を維持するには、夏の強い日射の侵入を遮るのが重要です。遮蔽効果の高いカーテンやブラインドを採用する、南向きの窓は軒や庇をつけるなどして、室内に侵入する日差しをコントロールする方法が一般的です。
自然風利用
パッシブデザインでは、室内に溜まった熱や汚れた空気を外に排出するために、自然風の利用が推奨されています。その土地に吹く風の向きを考慮して窓の配置や大きさを計画したり、高窓や吹き抜けを設けて上から下まで風邪を通したりする方法で、風の通り道を作るのが一般的です。
昼光利用
パッシブデザインでは冷暖房の低減による省エネだけでなく、照明エネルギーの削減にも注目しています。日中照明を使用しなくても快適に過ごせる明るさを維持するため、リビングには2面以上、他の部屋には1面以上の窓を設ける必要があります。また高窓や天窓を設置したり、室内ドアを透明・半透明にしたりするのもおすすめです。
日射熱利用暖房
日射熱利用暖房とは、冬の日中に窓から日射熱を室内に蓄え、夜までその熱で生活する仕組みです。室内の温度が外に逃げにくい、高断熱の家だからこそ実現できる手段です。窓の大きさや位置、軒や庇の設置方法なので日射の集まりやすさが決まりますが、地域や立地によって日射量は異なるため、土地選びが重要なポイントになります。また夏の日差しは遮る必要があるので、採光の取り方をきちんと理解した設計士に依頼するのが安心です。
ふくもくの家ならパッシブデザインの家づくりを提供できる!
私たちふくもくの家は、高気密高断熱の高性能住宅がスタンダード。さらに蓄熱性のあるヒノキ材を構造躯体に採用しており、自然の力を最大限に活用するパッシブデザインの家づくりを提案可能です。地域密着型の工務店として、この地域ならではの特性を把握しているので、岐阜県美濃加茂市・可児市・加茂郡周辺でパッシブデザインの家を検討している場合は、ぜひ弊社にお声がけください。
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まとめ
パッシブハウスは世界基準の省エネ住宅で、日本の省エネ基準よりも厳しい数値が定められており、少しハードルが高い住宅です。しかし最低限のエネルギーで一年中快適な室内環境が整い、人にも環境にも優しい家づくりが実現できるため、これからさらに普及していくでしょう。パッシブハウスと似たパッシブデザインは、明確な基準が設けられていない分、挑戦しやすい住宅です。予算内で省エネ住宅を手に入れたい場合は、パッシブデザインにも注目してみてくださいね。
岐阜県美濃加茂市周辺でパッシブデザインの家を建てるならふくもくの家におまかせ!
岐阜県美濃加茂市近郊でパッシブデザイン住宅を建てるなら、ふくもくの家におまかせください。経験豊富な設計士が緻密な省エネ計算のもと、人にも環境にも優しい住まいをご提案します。
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