V2Hとは?設置費用の相場や機器の選び方、2025年度補助金制度を解説|美濃加茂市のふくもくの家

2025.06.01

みなさんこんにちは。岐阜県美濃加茂市で、人と自然に優しい家づくりを提供している「ふくもくの家」です。今回は、脱炭素社会の実現に向けて注目されている「V2H」について解説します。
V2Hの導入を検討している方にも、初めてV2Hに触れる方にもわかりやすく紹介しますので、ぜひお家づくりの参考にしてください。

V2Hとは

V2Hとは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに蓄えた電力を自宅でも使用するシステムの総称です。
「Vehicle to Home(ヴィークル・トゥ・ホーム)」の略称で、直訳すると「車から家へ」。
電気自動車の蓄電池は、家庭用蓄電池よりも大容量でたくさんの電気を貯蓄できることから、現在「走る蓄電池」として自宅での活用が注目されています。

引用:一般社団法人次世代自動車振興センター「V2H充放電設備

V2HとEV充電設備との違い

V2HとEV充電設備の違いは、EV車に貯めた電力を自宅で使用できるかどうかです。
充電設備はEV車への電力供給に特化しているため、EV車から自宅へ電力供給はできません。
一方V2Hは、EV車への充電設備機能にプラスして、EV車に蓄えた電力を蓄電池として家庭に供給システムを備えており、工事時間や導入費用、設置スペースを抑えられます。

V2Hと家庭用蓄電池との違い

V2Hと家庭用蓄電池との違いは、自宅で発電した電力をEV車に直接供給できるかどうかです。
家庭用蓄電池の電力をEV車に供給するには、EV充電設備の設置が必要です。また家庭用蓄電池よりもV2Hの方が、電力を多く貯め込める点も違います。

V2Hシステムには2種類の仕組みがある!

V2Hシステムが自宅やEV車に電力供給をおこなう仕組みは、「非系統連携」と「系統連携」の2種類です。2つのシステムの概要を、それぞれ詳しく解説します。

非系統連系(単機能型)

非系統連係は太陽光発電システムが未設置、または太陽光で発電した電力を自宅で使用せず売電している住宅で適用できるシステムです。

引用:Panasonic 住まいの設備と建材「V2Hナビ

EV車から自宅へ電力を供給する間は、電力会社の供給する電力を使用できないのが特徴です。
もし自宅で使用する電力量がEV車からの供給電力量を超えた場合、EV車からの給電が停止し、電力会社からの給電に切り替わります。その切り替えの瞬間に、瞬時停電が発生します。1秒にも満たない停電ですが、気になる場合は次に紹介する系統連係システムがおすすめです。
また太陽光で発電した電力をEV車に電力を供給する場合、一度パワーコンディショナとうシステムで電力を変換する必要があるため、変換ロスが発生します。

系統連系(太陽光蓄電池連携タイプ)

系統連系は太陽光発電と蓄電池システムがあり、生成した電力を自家消費している住宅で適用できるシステムです。

引用:Panasonic 住まいの設備と建材「V2Hナビ

EV車からV2Hに電力を給電中、太陽光発電の電力・EV車からの供給電力・電力会社からの供給電力の3つを同時に使用できるので、非系統連係のように瞬時停電リスクが低い点がメリットです。
また太陽光で発電した電力をそのままEV車へ供給できるため変換ロスがなく、電力を最大限活用できます。

新築住宅にV2Hを導入する際にかかる費用

V2Hの導入を検討する際に気になるのが、費用面ですよね。ここではV2H機器の価格相場や、V2H設置費用相場について解説します。

V2H機器価格の相場

V2H本体やシステムに必要な機器の相場は、80万円~160万円程度です。保証期間が長かったり停電時の利便性が高かったりと、質の良いものほど高額になる傾向があります。
メーカーごとの価格については、後述します。

V2H設置施工費用の相場

V2H設置にかかる工事費用は、30万円~40万円程度です。ただし、設置したい駐車場が自宅から離れている場合はケーブルを延長する費用、住宅の外壁に施工が必要な場合は追加の費用が発生する可能性があります。失敗を防ぐには、施工会社と契約する前に詳細な見積もりを依頼するのが大切です。

マイホームにV2Hを導入する5つのメリット

ここではマイホームにV2Hを導入するメリットを、5つ解説します。

発電した電力の効率的な利用で電気代を節約できる

電力会社と深夜帯に電気代が安くなるプランを結んでいる場合、深夜帯にV2HからEV車へ蓄電した電気を日中使用することで、電気代を抑える効果が期待できます。

引用:一般社団法人次世代自動車振興センター「V2H充放電設備

また蓄電池を利用した系統連系タイプの場合、太陽光発電で日中使い切れなかった電力をEV車に充電したり、天候が悪く発電が望めない時間帯でも、晴れの日に貯めた電力を自宅で使用できたりするのがメリットです。

電気自動車への充電時間が短い

V2Hは一般的なEV充電設備よりも出力が大きく、充電時間が短縮できるのが魅力です。たとえば60kWhバッテリー搭載車の場合、EVではフル充電に1日近くかかりますが、V2Hは半日程度に短縮できます。

停電時の非常用電源として活躍する

V2HはEV車を蓄電池と同じ役割で使用できるので、災害などで停電してしまった場合にEV車に蓄えた電力を自宅で使用できます。
2019年9月に発生した台風15号では、千葉県の一部で停電の復旧までに2週間程度かかったこともあり、停電時に電力を確保できる環境を整えるのはお客さまやそのご家族の生命と健康を守るのに非常に重要です。

引用:経済産業省資源エネルギー庁「台風と電力~長期停電から考える電力のレジリエンス

蓄電池よりも容量が大きい

家庭に設置できる蓄電池の容量は、3kWh~15kWh程度。それに対しEV車のバッテリーも平均は40kWh~60 kWhで、もっとも容量が大きいメルセデス・ベンツ「EQS」は107kWhです。
たっぷり電力を蓄えたいなら、EV車の方が有利だといえるでしょう。

自宅にV2Hを導入する際に注意すべき5つのポイント

マイホームにV2Hを導入する前に、確認しておきたいポイントを5つ解説します。

①V2H対応車種を選ぶ

V2Hを利用するには、V2H対応車種を選ぶのが必須条件です。V2H対応車種でも、V2Hスタンドのソフトウェアのバージョンにより、V2H購入後に発売された車種が接続できない場合もあるので、接続の可否を確認してから自動車を購入しましょう。
またEV車のメーカーやモデルによって、対応車種が異なります。たとえばV2H機器の主要メーカーのひとつである、ニチコンのV2H「VCG-666CN7」に対応している国内メーカーと車種は、下記のとおりです(2025年5月現在)

メーカー車種
株式会社SUBARU・ソルテラ
トヨタ自動車株式会社・プリウスPHV
・bZ4X
・クラウンSPORT RS
・レクサス RZ450e
・レクサス UX300e
日産自動車株式会社・リーフ
・リーフe
・e-NV200
・アリア
・サクラ
本田技研工業株式会社・Honda e
・N-VAN e:
マツダ株式会社・MAZDA MX-30 EV MODEL
・MAZDA MX-30 ROTARY-EV
・MAZDA CX-60 PHEV
参照:ニチコン株式会社「【V2Hスタンド】対応車種一覧

国外でも、BYD Auto Japan株式会社やMercedes-BenzなどのEV車やPHEV車が対応しています。
自動車の購入時やV2H導入時は、必ず各メーカーの最新の対応状況を確認しましょう。

②予算に適したV2H機器を選ぶ

前述したとおり、V2Hの本体価格は80万円~160万円と幅広いです。質の高いものほど価格も高めですが、コストパフォーマンスが良いとは限りません。設置費用もかかるので、予算や目的に適した機器を選ぶのが大切です。
またV2Hの普及を促すため、国や地方自治体が導入を支援する補助金制度もあります。
2025年度に使用できる補助金制度は、後述します。

③使いやすい設置場所を選ぶ

V2Hの設置場所は、車へ給電しやすいスペースを選ぶのが大切です。
同じメーカーでも、車種によって充電口が運転席側後方だったりボンネット前端だったりと異なるので、必ず充電口の位置を確認して設置しましょう。
また駐車場から離れた位置にV2Hを設置すると、充電ケーブルが充電口に届かなくなるため注意しましょう。

④充電口の違いを知っておく

EV車やPHEV車には充電口が「V2H・急速充電器」と「普通充電器」の2種類あり、V2Hで差し込むのはV2H・急速充電器です。たとえば日産サクラの場合、充電ポートは下記の図のように配置されています。

①普通充電ポート②急速充電ポート③充電ポートライト
引用:NISSAN「自宅で充電

万が一普通充電器の方に差し込むと、故障などを引き起こす恐れがあるので注意しましょう。

⑤保証年数の長いものが理想

V2Hの保証期間は、メーカーやモデルによって異なります。V2Hは長く付き合う存在なうえ精密機器なので、万が一の故障や不良に備えて、メーカー保証は長ければ長いほど安心です。10~15年以上の保証期間を目安に、アフターサービスが充実した機器を選びましょう。

令和7年度版!新築時にV2Hの導入で利用できる最新補助金制度

2025年度にマイホーム新築時にV2Hを導入する場合、利用できる補助金制度は下記のとおりです。

事業名戸建て住宅ネット・ゼロエネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
事業目的ZEH住宅の普及や高断熱化の推進
運営元環境省
対象新築住宅のZEH・ZEH+化既存住宅の断熱リフォーム
補助金額ZEH住宅:55万円/戸 ZEH+住宅:90万円/戸 蓄電システム2万円/kWh(上限額20万円/台)

ZEHやZEH+水準を満たす住宅を支援する制度で、蓄電システムを導入した場合、定額補助にプラスして補助金が支給されます。

国内V2H主要メーカーの性能や価格比較一覧

ここでは、国内V2H主要メーカーの性能や価格を一覧にしてご紹介します。

メーカーニチコンニチコンニチコンオムロン
品番VCG-666CN7VSG3-666CN7ES-T3V1KPEP-A
対応車種公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト
充電速度2倍2倍2~3.3倍2倍
停電時切替手動自動自動自動
停電時最大出力6kVA6kVA6kVA6kVA
ケーブルの長さ7.5m7.5m7.5m7.5m
保証期間5年10年15年10年
希望小売価格89万8,000円128万円130万円160万円~
メーカーデンソーデンソーパナソニックシャープ
品番DNEVC-D6075DNEVC-SD6075LJV1671BJH-WE2301
対応車種公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト
充電速度2倍2倍2倍2倍
停電時切替手動自動自動自動
停電時最大出力6kVA6kVA6kVA5.5kVA
ケーブルの長さ7.5m7.5m7.3m7.8m
保証期間5年10年15年5年 有償で15年
希望小売価格オープン価格オープン価格160万円150万円
※2025年5月現在

性能とコストを比較しながら、目的や予算に適した設備を選びましょう。

V2Hの設置がおすすめの人は?

マイホームにV2Hを設置するのがおすすめなのは、EV車やPHEV車を所有し、自宅に車を保管している時間が長いご家庭です。自宅に車がない状態が長いと、EV車の電力を活用するタイミングが少なくなります。また長期間の停電に備えたい方や太陽光で発電した電力をフル活用したい方に、V2Hは向いているでしょう。EV車やPHEV車を自宅に駐車している時間が短い場合は、V2Hよりも蓄電池の方が適している場合があります。

>>蓄電池の特徴やメリットについて詳しくしりたい方はコチラ

ふくもくの家のスマートハウスならV2Hの魅力をフル活用できる!

ふくもくの家の注文住宅は、地元で育ったヒノキで造る自然素材の家にこだわりつつ、光熱費を抑えて家計に優しい家づくりを目指す「スマートハウス」も提供しています。
スマートハウスとは、太陽光発電・蓄電池やHEMS(ヘムス)と呼ばれる住宅エネルギー管理システムを活用して、住宅で消費するエネルギーを最適化した住宅です。V2Hの施工やシステムの導入を行った実例もありますので、マイホームにV2Hシステムを取り入れたい方はぜひお声がけください。

>>ふくもくのスマートハウスについて詳しくしりたい方はコチラ

まとめ

V2Hは電気自動車への充電設備機能と、電気自動車に蓄えた電力を蓄電池として家庭で使用できるシステムを持ち合わせており、太陽光発電システムでつくった電力を有効活用できるうえ、工事時間や設置スペースが抑えられるのが魅力の設備です。長期的な停電にも耐えられるバッテリーの大きさで、災害時にも安定した電力供給を得られる点も強みといえます。
ただし電気自動車の使用方法によっては、蓄電池が使いやすい場合もあります。
岐阜県美濃加茂市近郊でマイホームにV2Hと蓄電池どちらを選ぶべきか悩まれている方は、ぜひふくもくの家にご相談ください。

岐阜県美濃加茂市近郊でマイホームにV2Hをプラスするならふくもくの家におまかせ!

岐阜県美濃加茂市周辺でV2H付きのマイホームを建てるなら、ふくもくの家にお任せください。V2Hの導入はもちろん、住宅のエネルギー消費を最適化するHEMSやZEH水準を満たす省エネ性能の高さで、家計にも環境にも優しい家づくりをサポートします。

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