2025年度施行!40年ぶりの建築基準法改正で家づくりの何が変わる?|美濃加茂市のふくもくの家
2025.05.01
みなさんこんにちは、岐阜県美濃加茂市で家づくりを提供している「ふくもくの家」です。
今回は2025年4月から施行する改正建築基準法により、家づくりが変わるポイントを解説します。改正によりマイホームを購入する際に受けるメリットやデメリットも紹介するので、これから家づくりを検討している方は参考にしてくださいね。
建築基準法とは
建築基準法とは、住宅やビルなど建物を建築する際に必ず守らなければならない、最低基準を定めた法律です。建築物の安全性を確保することで、人々の生命や健康、財産を保護し、公共福祉増進を目指しています。
建築基準法は、大きな災害や建築会社などの不祥事等をきっかけに複数回の改正がおこなわれており、2025年の改正は40年ぶりの大改正といわれています。
建築基準法は家づくりにどう関係する?
お客さまが家づくりをおこなう際に、建築基準法が関わってくる点は下記のとおりです。
項目 | 概要 |
用途地域 | 住宅系・商業系・工業系など建物の用途別にエリアを設定し、調和のとれた環境をつくる |
敷地の接道義務 | 緊急車両が通る道を確保する |
建ぺい率・容積率・高さ制限 | 敷地内にある程度の空き地を設けることで採光や通風の確保や、火災時に近隣への延焼を防ぐ |
居室の天井の高さ | 生活に支障のない室内空間にするため、天井は平均の高さで2.1m以上を確保する |
居室の窓の数 | 採光や換気、排煙などをおこなうために各居室に窓を設置する |
防火地域や準防火地域 | 建物が密集する市街地で火災が発生した際、延焼しないように建物の構造や資材に必要な耐火性能を定める |
土地探しから家づくりを始める場合も、用途地域や敷地の接道義務、建ぺい率などが大きく関わります。
2025年4月に改正基準法が施行される背景
今回建築基準法が改正された主な理由は、2050年までにカーボンニュートラルを実現するためです。
カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因のひとつである温室効果ガスの排出量を減らし、排出された分を吸収または除去する手段で、大気中の温室効果ガスの濃度を実質ゼロにするという考え方です。

実は、国内の温暖化効果ガス排出量の約30%は建築分野が排出しており、温室効果ガス削減が期待できる省エネ建築物の促進のために、建築基準法の改正に至りました。
参照:「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」
2025年4月施行!建築基準法の改正ポイント6つ
2025年4月から施工される、建築基準法の主な改正点は下記の6点です。
改正ポイント | 概要 |
省エネ基準適合の義務化 | すべての住宅・非住宅で省エネ基準に適合しているか審査・検査を義務化 |
4号特例の縮小 | 4号建築物を廃止し、建築確認・検査の対象建築物を拡大 |
構造規制の合理化 | 木造建築物の必要壁量や柱の小径の見直し |
中層木造建築物の耐火性能基準の合理化 | 中小建築物に対する防火性能基準を緩和 |
準防火地域の建ぺい率緩和 | 準防火地域の耐火建築物と準耐火建築物の建ぺい率を10%緩和 |
防火規制に係る別当のみなし規定 | 混合建築物や複合用建築物の防火規制の見直し |
既存不適格建築物の基準の一部を免除 | 既存適合建築物の特定条件を満たした場合、基準が一部免除される |
現在の技術や社会情勢にあわせ、縮小や合理化がされています。
ここからは、改正ポイントのなかで家づくりにかかわる4つの内容について詳しく解説します。
構造規制の合理化
近年木造建築物の仕様が多様化しているため、実情に応じて必要壁量・柱の小径を算定できるように見直されます。

改正前、高さ13m(軒高9m)を超える構想木造建築物は、複雑な構造計算を一級建築士がおこなう必要がありました。
改正後、3階以下かつ高さ16㎡以下までの木造建築物は、簡易的な構造計算を利用でき、二級建築士でも設計が可能になります。
準防火地域の耐火建築物、準耐火建築物の建ぺい率緩和
以前は防火地域内の耐火建築物のみ建ぺい率10%緩和の対象でしたが、改正後は準防火地域の耐火建築物や準耐火建築物も建ぺい率が10%緩和されます。
延焼防止機能に優れた住宅をつくれば、広めの家が建てられるということです。
すべての建築物で省エネ基準適合を義務化
住宅の省エネ性能向上を目的に、すべての建築物で省エネ基準適合義務が制定されます。
省エネ基準適合義務は、建物が建築物省エネ法で定められた省エネ基準を満たしているか審査や検査を受ける制度です。以前は中規模以上のビルや商業施設などの非住宅が対象でしたが、改正によりすべての新築建築物で基準適合が義務付けられます。

これにより家づくりをする際に、着工前の建築確認手続き中に省エネ基準への適合性審査と、竣工後の完了検査が必須となりました。

建築物省エネ法とは
省エネ基準を定めた建築物省エネ法とは、建築物が備えるべき省エネ性能を確保するために最低限備えるべき建築物の構造や設備の基準を定めた法律です。省エネ基準には、一次エネルギー消費量基準と外皮基準があります。

一次エネルギー消費量とは、住宅で使用する消費エネルギーを熱量に換算した値で、冷暖房や給湯、換気、給湯で消費するエネルギーをBEIという計算式で算出します。
BEI=設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量
設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量は、下記の計算式で算出します。

数値が0に近いほど、省エネ性能が高い住宅だと評価可能です。省エネ基準を満たすには、BEI≦1.0をクリアしているのが条件です。外皮性能は、室内と外気の熱の出入りのしやすさを表す「外皮平均熱感流率(UA)」と、太陽日射の室内への入りやすさの指標である「冷房機の平均日射熱取得率(ηAC)」で評価します。
UA(W/㎡・K)=単位温度差あたりの外皮総熱損質量÷外皮総面積
ηAC=単位日射あたりの総日射熱取得量÷外皮総面積×100
UA値もηAC血も値が小さいほど、外気の影響を受けにくい家だと評価できます。
また日本は縦に長く、地域によって気象や環境が異なるので、8つの区分ごとに基準値を設けています。

省エネ基準適合義務では、一次エネルギー消費量基準と外皮基準どちらも満たすことが必須です。
>>UA値について詳しく知りたい方はコチラ
省エネ基準適合義務により建築基準法の4号特例を縮小
省エネ基準適合義務に併せて、建築基準法に定められた4号特例が縮小されます。
4号特例は、建築基準法の「建築物基準法第6条第1項第4号」で定められた4号建築物の条件の緩和処置として制定されています。
4号建築物の対象となる条件は、下記のとおりです。
構造 | 条件 |
木造建築物 | ・2階建て以下 ・延べ床面積500㎡以下 ・高さ13m以下もしくは軒高9m以下 |
非木造建築物 | ・平屋 ・延べ床面積200㎡以下 |
4号建築物は4号特例により、下記の条件が緩和されています。
・建築設備の構造強度や居室の採光、換気設備の技術基準など審査項目の一部が審査の対象外
・住宅の機能や安全性を示す構造計算書の提出義務がない
4号特例により審査や構造計算書の提出の手間が省かれていましたが、住宅でも省エネ基準適合検査が義務化され、条件を緩和した状態では検査が不可能なため縮小されることになりました。
ここからは建築基準法の4号特例縮小で、家づくりがどのように変化するか解説します。
建築基準法の4号特例の縮小で改正される3つのポイント
4号特例の縮小により、4号建築物の家づくりが変わるポイントを3つ解説します。
4号建築物廃止により、建築確認・検査の対象建築物の拡大
もっとも大きな変化は、4号建築物自体が廃止されることです。4号建築物の対象だった建築物は、新2号建築物と新3号建築物に振り分けられます。

対象 | |
新2号建築物 | 2階建て以上もしくは平屋かつ延べ床面積200㎡以上の木造建築物・非木造建築 |
新3号建築物 | 延べ床面積200㎡以下の木造建築・非木造建築物 |
新2号建築物ではすべての建築物、新3号建築物は都市計画区場内の場合に限り建築確認と検査が必要です。都市計画区場外の新3号建築物は、旧4号建築物と同じ扱いです。
審査対象外だった審査項目の見直し
4号特例では対象外だった審査項目が見直され、新2号建築物ではすべての項目が審査対象になります。

引用;一般社団法人日本建築防災協会「2階建ての木造一戸建て住宅(枠組工法)等の確認申請・審査マニュアル」
確認申請時に構造・省エネ関連図書の提出を必須へ
すべての審査項目が審査対象になったことで、確認申請時に構造関係規定や省エネ関連の図書等の提出が必須になります。

4号特例の縮小が家づくりに与えるメリット・デメリット
4号特例の縮小により。家づくりの現場が大きく変化するというのは把握できましたよね。ここからは、実際に家を建てるお客さまが受けるメリットやデメリットを解説します。
メリット
4号特例縮小による最大のメリットは、住宅の安全性や信頼性が向上する点です。建築確認審査が厳格化されるため、事業者は構造関係規定の図書や省エネ関連の図書を第三者機関に審査してもらう必要があり、簡略化が難しくなります。消費者が、最低限の品質が保証された安心・安全な住宅を手に入れるために、メリットが大きい改正だといえるでしょう。
デメリット
デメリットは、事業者がおこなう手続きの煩雑化による工期の遅延やコスト増です。
以前より、構造計算や省エネ計算を厳格におこなっていた事業者は大きな問題になりませんが、簡略化していた場合は手間や費用が負担になる可能性があります。改正建築基準法に沿ったシステムづくりから始まるため、慣れるまでは手続きに時間がかかり、その分のコストも請求されるかもしれません。
万が一省エネ基準に適合しなかったり手続きを怠ったりした場合は、着工や住宅の引き渡しが遅延する恐れがあるので、建築会社はルールに従って申請を進める必要があります。
2025年4月以降に家づくりをおこなう場合、構造計算や省エネ計算に強い住宅会社選びが今まで以上に重要になるでしょう。
まとめ
建築基準法は、住宅の安全や安心を確保するために最低限の基準を設けた法律であり、地震などの自然災害や社会情勢にあわせて、何度も改正がおこなわれています。2025年度の改正は循環型社会づくりにむけ、省エネ基準適合の義務化や4号特例の縮小がメインです。省エネ性能の高い家はカーボンニュートラルの実現に欠かせないのはもちろん、光熱費の削減や快適な室内環境の実現が期待できるため、お家づくりをする方にとってもメリットが大きいといえます。お客さまが改正建築基準法に振り回されないためには、改正建築基準法に対応するシステムが整っている建築会社選びが重要です。
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